観客少ないサッカーキャンプ

ドイツに勝利し、喜ぶ日本=11月23日、ドーハ(時事)

昨年、サッカー日本代表は、ワールドカップ(W杯)で「死の組」と言われたグループステージで強豪ドイツとスペインを破り、全国的にサッカーブームを巻き起こした。

その象徴とも言えるのが、「ブラボ―」を日本中に流行させた長友佑都だが、彼を擁するFC東京の冬季キャンプ見学に行った知人によると、「ブラボ―」とは言えない雰囲気だったようだ。

キャンプは沖縄本島北部の国頭村で行われたが、知人によると、観客がとても少なくて驚いたという。一般観客よりもマスコミ関係者の方が多かったそうだ。1月でも比較的温暖な沖縄でのサッカーキャンプは息づかいが聞こえるほど間近で選手を見る絶好の機会なのに。

日本代表の人気は高いが、Jリーグの国民的認知度はまだ低いということなのだろう。

FC東京のほかにも、今では常勝チームとなった川崎フロンターレや知名度の高い選手を多く抱えるヴィッセル神戸、安定した人気があるガンバ大阪、名古屋グランパスも沖縄キャンプを実施した。

2022年の日本代表には、川崎フロンターレから昨季チームに所属していた谷口彰悟や山根視来をはじめ、過去に在籍した選手も合わせて8選手が名を連ねた。ヴィッセル神戸には、W杯メンバーには選ばれなかったものの、元日本代表として活躍した大迫勇也や世界的スーパースターのイニエスタらの姿も。それでも、たくさんのファンが押し寄せる光景は見られなかった。

ほとんどのクラブは1月下旬に沖縄キャンプを終える。それと入れ替わる形で、2月からはいよいよプロ野球の沖縄キャンプが始まり、サッカーの話題がますます乏しくなる。将来、サッカー日本代表入りする可能性がある「原石」を多く見つけ出す楽しみは来年まで取っておきたい。

(T)