韓国でも新型コロナウイルスの感染状況が安定的に管理できていることを受け、ついに屋内のマスク着用が「義務」から「勧告」になることが決まった。こうなると国民の気持ちにもゆとりが出始め、特に「アフター6」(韓国の退勤時間は午後6時)を楽しむ人々が増えてくる。そのとき、友人と、恋人と、会社の同僚と親睦や愛情を深めるのに欠かせないのがお酒だが、最近は通な飲み方として日本酒を求める人が増えている。
筆者が懇意にしているお酒好きの元外交官は、「いろいろ飲んだ結果、やはり焼酎(韓国焼酎)、マッコリ(韓国にごり酒)、サケ(日本酒)が一番おいしい」と日本酒をイチ押ししてくれた。別の元外交官は日本に行く友人に必ず日本酒をお土産に買ってくるよう頼むほどだという。韓国で「サケ」と発音するとき、それは日本酒のことを指すのだが、それだけ韓国の地で日本酒が大衆的地位を固めつつあるということなのだろう。
日本酒人気は若者にも浸透し始めている。韓国に進出している日系コンビニが昨年、フルーツカクテルならぬフルーツサケをお洒落(しゃれ)なトレンドとして売り出したところ、月間売り上げが20%も伸びたそうだ。「柚子(ゆず)サケ」と「桃サケ」の2種類を販売中だが、ラベルにはしっかり日本語で「日本酒」の文字も。またいつか反日感情が高まって日本製品不買運動が起き、「サケ」が店頭から姿を消しても、やがて復活すること間違いなし?(U)



