旧市街の土産物屋 イスラエルから

エルサレム旧市街を訪れた。クリスマスと新年ムードも過ぎて通常モードという感じだ。

旧市街は、大きくイスラム教徒地区、キリスト教徒地区、ユダヤ教徒地区、アルメニア人地区に分かれ、全体が高い城壁で囲まれている。市の中心部から最も近いヤッフォ門につながる長い石畳の道を歩いていると、ギターを弾きながらロックを歌っているユダヤ人がいた。歴史の重みが感じられる城壁の傍らでロックを歌うギャップが面白い。

ヤッフォ門から旧市街に入ると、すぐそこはキリスト教徒地区で土産物屋が連なり、美しい伝統的なスカーフが目に付いた。友人へのプレゼントにと思い選んでいると、アラブ人の店主が向かいの店から手招きしている。「お茶を入れるから一緒に飲まないか」と誘っていた。

その店には天然石のアクセサリーや革製品が並び、店主の2人の甥(おい)が歓迎してくれた。温かくて甘いナナティー(ミントティー)をごちそうになっていると、甥の1人が流暢(りゅうちょう)な英語で話し始めた。なんでも3代続いている店で、祖父が趣味で買い集めた絨毯(じゅうたん)を利用してカバンを作っているという。作品を見ると、絨毯の生地と革をうまく使っている。「量産されたブランド物よりも、世界に一つしかない手作りのカバンの方が価値があるし、古い物から新しい物を生み出すことで、祖父に敬意を払っているのだ」と語っていた。

おいしいお茶のお礼を言って、スカーフを買って帰った。また機会があれば行ってみようと思う。(M)