
支持率の低迷が続く岸田文雄内閣だが、時事通信社の世論調査によると、年齢が下がるほど低くなる傾向がある。安倍、菅両政権では一定の支持を得ていた29歳以下の支持率の低さは、岸田内閣の本質的な問題を反映しているのではないか。
第2次安倍内閣が発足して以降の安倍内閣の平均支持率は、全世代45・9%に対し、29歳以下で43・7%だった。これに対し岸田内閣では全世代42・7%、29歳以下33・7%と9ポイントの開きがある。保守化傾向の強い若い世代は、岸田内閣の保守主義には心がないことを見抜いているのだろうか。
若い世代は自分の将来との関わりで政治をみる傾向が強く、アベノミクスで雇用環境が改善したことを知っている。この人に任せておけば日本の未来は明るくなると思えるかどうかが大きいだろう。
中には政治にそれほど関心があるとは言えず、直感で判断する若者も少なからずいる。そういう層も含めて、安倍晋三元首相は若者にアピールするものを持っていた。
「日本を取り戻す」という安倍さんには、柱となる国家観があった。それは言葉の巧みさとは別のものだ。安倍さんの最初はちょっと滑舌に難があると思われた話し方も、国を思う情熱の裏返しと感じられるようになった。
世論調査では、支持か不支持か「分からない」の割合が高いのも岸田内閣の特徴だ。日本をどうしたいのか、岸田首相はもっと自分の考えを分かりやすく説明し実行してほしい。



