
「遠客再来」。住友生命保険が募集した今年の世相を反映した創作四字熟語の最優秀作品である。新型コロナウイルスの水際対策緩和で、訪日外国人客(インバウンド)がようやく戻ってきたのを捉え、「千客万来」をもじった。
政府観光局が発表した11月の訪日外国人数は前年同月に比べ約45倍の93万4500人。前月から倍増してコロナ蔓延(まんえん)以前の19年11月の4割弱の水準まで回復し、ペースが一気に加速してきた。
日本に外国人が戻ってきたと感じたのは、まず飲食店の外国人アルバイトの姿からだった。コロナ蔓延以前は、飲食店、コンビニエンスストアに行けば外国人アルバイトを見ない日はなかった。銀座などの繁華街、デパート、家電量販店などには外国人が溢(あふ)れ、京都など有名観光地も訪日客に占拠されたような状態だった。
そこまではいかないが、銀座の大通りなどはだいぶ外国人が目立つようになった。家電量販店では、中国語を話す客が家電製品を大量に買い込んでいるのも目にした。
訪日客の国・地域別統計では、1位が韓国の31万5400人、2位が台湾9万9500人、続いて米国8万4300人。今後は「ゼロコロナ」政策の緩和で中国からの客も増えてくるだろう。
クリスマスから新年にかけ、多くのインバウンドが予想される。円安も大きな呼び水となる。パソコンで「えんきゃく」と入力すると「円客」と出てきた。「遠客」は、まさに円安に引かれてくる客でもある。



