
12月に入ると、福島県の南会津地方は冬型の気圧配置となり、気温が低く、曇りや雨や雪の日が多くなった。出掛ける予定の1週間前、天気予報では、その日から数日は晴れだったが、前日になると曇りに変わった。
出発してみると、どんよりとした曇り空だったが、午後、小雨が降ってきてみぞれに。翌日も、予報では、曇り時々雨またはみぞれ。だがその日になると、曇り空は晴れて青空が広がってきた。予報は当たりにくい。
かつて福島県と新潟県、山形県にまたがる飯豊(いいで)山塊を2月に登山したことがあったが、約20日のうち、晴れたのは1日だけ。吹雪の毎日だった。
また別の機会に、バスで、2月に、南会津地方を旅行した時、ベテランドライバーも「冬に運転するのは恐ろしい」と語っていた。雪で視界が利かなくなり、道路は滑りやすく、幅の狭い県道では路肩が判別できずに踏み外しやすくなる。田んぼに突っ込んだ車を何台も見掛けた。
只見町ブナセンターで編集・発行する『自然首都・只見』という冊子でこう紹介している。「只見の冬は色のない世界です。全国屈指の多雪地帯にある只見は、2㍍を越える深い雪に覆われ、すべての風景は白一色となり、ひたすら雪が降り続けます」。
地元の人に尋ねると、「12月いっぱい旅館はほとんど満室です」。今年10月、只見線は全線で運行することになり、政府の旅行支援もあって、賑(にぎ)わいを取り戻したようだ。
(岳)



