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北海道遠軽町に旧石器時代の石器が出土した白滝遺跡群がある。大雪山系の北東山麓にあり、赤石山の南側を流れる湧別川の河岸段丘を中心に100カ所ほどの遺跡が分布している。
石器の材料となる黒曜石の全国有数の原産地だ。約1万5000年~3万年前の、後期旧石器時代前半から後半期に至る石器の変遷を追うことができる。そこで出土した石器など計4件が国宝に指定されることになった(小紙11月19日付)。
旧石器時代の出土品が国宝になるのは初めて。5㌢程度の小型剥片石器と全長36・3㌢の超大型尖頭状石器もあり、数百点の剥片などを接合した接合資料など1965点を一括で指定。
縄文遺跡は近年、人々の関心を集め、人気が高まっている。調査や研究の進展によって彼らの生活が詳細に分かるようになり、われわれの先祖としての親しみが増してきているからだ。
縄文道研究所代表理事の加藤春一さんは「縄文道」を提唱し、その文化的価値を現代に生かそうとしてきた。その一つが平和共存の知恵だ。縄文時代は殺戮(さつりく)闘争が極めて少なかった時代。
殺傷率を人骨で調査すると大陸では12~13%、100人中12~13人に傷跡がある。が、縄文人は1・8%。共生、共存の知恵があったので1万数千年続いてきたという。東京都多摩市には遺跡庭園「縄文の村」がある。シラカシ、クヌギ、トチノキなどで再現された森を歩いていると、懐かしさと安らぎが感じられてくる。



