【上昇気流】(2022年11月22日)

国立国会図書館

ある本に当たる必要があって、約3年ぶりに東京・永田町の国立国会図書館に足を運んだ。新型コロナウイルス禍で一時閉館となり、再開後も入館手続きが面倒くさそうで足が遠のいていた。メールで延長手続きをした登録利用者カードがちゃんと使えるかの確認もしたかった。

そのカードですんなりと入館することができ、本もすぐにコンピューター検索で見つかった。そこまではよかったが、長く利用していなかったので、閲覧をどう申し込むのかよく分からない。机の上に印刷されたマニュアルが置いてあるが、どうも煩雑だ。

結局、案内のカウンターまで行って申し込みの仕方が分からないと言うと、係の女性が席まで来て教えてくれた。やれやれである。

やり方を覚えれば、資料の検索から閲覧、コピーの申し込みなど実にスムーズにいく。ただ何をするにしても、登録利用者カードとパソコンを使わなければ進まない。

そういうこともあるのだろうか、利用者は圧倒的に若い人が多いように見える。以前は高齢者をよく見掛けた。仕事や専門分野で調べ物をしているのではなく、郷土史家のような、趣味でいろいろ文献に当たっているお年寄りがいたものだ。

今回そういう人たちをあまり見掛けなかったのは、コロナ禍だけでなく、デジタル化の影響もあるように思う。デジタル化がお年寄りを図書館から遠ざけているとしたら少し寂しい。デジタル音痴の気流子の思い込みかもしれないが。