
10月31日はハロウィーンだった。ゴミの散乱や路上での危険行為などが問題になることが多く、韓国では先月、痛ましい事故まで起きたが、その楽しみ方はどうあるべきなのか。
ハロウィーンは、古代ヨーロッパのケルト人の習俗が起源で、10月31日は彼らの収穫祭の日であり、祖先の霊が現世に戻ってくる日でもあった。悪霊も現れるので、それから身を守るべく、悪魔や魔女の格好をし仲間だと思わせていたことが、仮装のはじまりという。
実は日本にも収穫祭があった。宮中祭祀(さいし)である新嘗祭(にいなめさい)があり明治以降11月23日を国民的な祭日(戦後「勤労感謝の日」に変わった)と定めていたことは覚えているべきだろう。
日本のハロウィーンの流行には商業主義がある、という批判がある。しかし初詣だって、明治時代に鉄道会社が仕掛けた企業イベントだ。人混みは多いし、各地の祭りも山車(だし)や鉾(ほこ)、神輿(みこし)も危険すれすれである点では同じだ。ただ、その根底には神々や先祖への感謝の念がある。
ハロウィーンはまだ新参のお祭りだが、日本は古来、さまざまな宗教、文化をうまく取り入れ、共存・融合させてきた歴史がある。また、もともと日本はコスプレ文化になじみがあり、その質も高い。これからハロウィーンは日本らしい独自の洗練されたものとなっていくかもしれない。
いずれにしても感謝の念が大事だ。そうすればおのずと節度も生まれよう。そういうイベントになってほしいものだ。
(荘)



