「ちむどんどん」終了、反省会に

ヤンバルクイナ展望台

NHK連続小説(朝ドラ)の「ちむどんどん」は9月30日に最終回を迎えた。大ブームを巻き起こした「あまちゃん」の時は、終了すると「あまちゃんロス」という言葉が話題になったが、今回はだいぶ事情が違っている。


沖縄の本土復帰50年の節目に放映され、やんばる地方が舞台とあって、期待していた県民・国民は多かったが、多くにとってどうやら期待を下回ったようだ。放送後は連日、「反省会」というキーワードがSNSのトレンドに上がる始末だった。

愛想を尽かされた原因の一つが登場人物の傍若無人で能天気な性格だ。黒島結菜演じる比嘉暢子は上京後も周りに合わせることができず、常にその場しのぎで運だけで成功した感じが好意的に受け止められなかった。

中でも話題になっていたのが暢子の兄賢秀の短絡的な性格だ。自分勝手な行動で常に家族に迷惑を掛け、何度も詐欺ビジネスに騙(だま)されるなど、見る者の批判の対象になってしまった。沖縄の男性はだらしないというステレオタイプを強調したような感じで、兄が原因で見るのをやめたという人もちらほら。

フィクションと思って見ればいいだけの話だが、沖縄復帰50年の節目のドラマとして、初めから期待値が高すぎたのかもしれない。沖縄でもドラマのブームは起こらず、大手書店では関連書籍の「売れ行きは悪かった」という。

全体を通して家族に何度も危機が訪れ、終始トラブルに見舞われるどたばた劇だったが、どんな時も家族の絆で乗り越えた姿を見ることができたのは良かった。40年後にタイムスリップした最終回に4人きょうだい全員がたくさんの孫を連れて実家に集まる姿は、今でも大家族が多い沖縄を象徴しているようで微(ほほ)笑ましかった。

(T)