6月以降の度重なる熱波襲来でフランスは今、全国的な干ばつによる水不足が懸念されている。すでに地方都市では給水制限を行っている地域もあるが、いよいよ首都パリも水不足注意区域に指定され、節水が呼び掛けられている。
パリとパリ市周辺でプールのある個人宅は少ないが、庭の水撒(ま)き、1日数回のシャワーなどは控えるよう呼び掛けられている。細かい指示としては体や頭を洗剤で洗う際は、シャワーを出しっぱなしにしないという注意もある。
パリ市内の公園や緑地への水撒きは夜間のみとされ、パリの美観に欠かせない噴水、公道清掃時の水撒きも停止された。当局は飲料水などの供給が滞ることは現時点ではないとしながらも、安心できるレベルではないとしている。
一方、ウクライナ危機でエネルギー不足が懸念されるのはフランスも例外ではなく、政府は9月より午前1時から6時までの電光掲示板の使用禁止、レストランやカフェ、商店で冷暖房機を使用している場合は出入り口の解放を禁止するなどの措置を検討中だ。
さらには大型スーパーの閉店後の店頭照明を消すことや、夜間の換気、冷凍の中断も検討されている。企業も夜間消灯、冷房を26度以上に設定すること、暖房を19度以下に設定するなども呼び掛けている。エネルギー価格高騰はインフレも引き起こしていることから、ガソリン代補助金を9月から大幅に引き上げ、中小企業の事務所のテナント料の上昇を一時的に抑制する政策などで、何とか乗り切ろうとしている。(A)



