編集部

【上昇気流】(2023年3月22日)

磯田道史著『徳川家康 弱者の戦略』(文春新書/2023年2月)を読むと「素朴一次史料主義」という言葉が昨今の歴史学者の間には根深いらしいことが分かる。当時の一次史料だけを史実と見なして、後世の史料や伝聞の類いは排除するという発想だ。

押し寄せるLGBTの波 韓国から

NHKワールドTVで韓国でも放映中の大河ドラマ「どうする家康」に、家康がそうとは知らず同性愛者(レズビアン)を側室に迎えた場面が出てきたが、ジェンダー問題で日本以上に保守的だった韓国では同性愛を巡る苦悩や葛藤はもっと深かったに違いない。実話ではないが、19世紀末に書かれた小説『方翰林伝』にはレズビアンの主人公が登場する。勝手な想像だが、著者不詳になっているのはこの種のテーマがタブーだったからだろうか。

【社説】経口中絶薬 「生命の尊厳」を傷つけるな

厚生労働省は、今週開く薬事分科会で経口妊娠中絶薬について承認の可否を判断する。分科会下部の第1部会はすでに承認を了承しており、承認される見通しだ。

「多死社会」を生きる

2040年の頃に高齢人口がピークを迎える。年金・医療・介護などが逼迫(ひっぱく)すると予測され、「2040年問題」と言われている。生まれた数の約3倍近い人が亡くなる「多死社会」の到来である。

激化する教科書業界“闇の闘争” 子供や教師らの不信・不便を招く

出版業界の苦戦が続いている。少子化の影響で出版社の屋台骨を背負っている教科書の売り上げも、部数に陰りが見えており、当然のことながら業界の“激戦区”となっている。さまざまな軋轢(あつれき)が起き、不正が横行するのも当然といえる。

北海道博物館「もっと!あっちこっち湿地」企画展

「生命のゆりかご」と形容される湿原。かつて北海道には多くの湿原・湿地があった。開発の継続や温暖化の進行で数多くの湿地が消失・劣化しているものの、北海道にはまだ自然の湿原が残されている。こうした中で北海道博物館は2月25日から5月28日の長期にわたって「もっと!あっちこっち湿地~自然と歴史をめぐる旅~」をテーマに企画展を開催している。

【上昇気流】(2023年3月21日)

気流子が住む神奈川県のあちこちの桜も花が咲き始め、今週末が見頃かなと楽しみにしていた。しかし、天気は明日あたりから下り坂に向かい、「菜種梅雨」の様相という。土曜日以降は気温もぐっと下がる。

【社説】日独首脳会談 経済安保で協力強化進めよ

岸田文雄首相は、来日したドイツのショルツ首相と会談し、財務や外務、防衛など6閣僚ずつを交えた「日独政府間協議」も初めて行われた。

【上昇気流】(2023年3月20日)

大手企業の賃上げ発表が続き頼もしい。日本の雇用の7割を占める中小企業に、大手の「後押し」の効果はあるか。期待したいところだが、不安な要素も少なくない。中小の経営者の高齢化、後継者不足の問題だ。

トルコ フィンランドの申請批准へ NATO加盟 スウェーデンは保留

トルコのエルドアン大統領は17日、トルコ訪問中のフィンランドのニーニスト大統領との会談後の記者会見で、フィンランドの北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を批准するプロセスを開始すると発表した。エルドアン大統領は、「トルコはNATOの門戸開放政策を援護している」と述べるとともに、「フィンランドの加盟はNATOをより強力にするだろうと」と付け加えた。

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