上田 勇実

昭和40年(1965年)静岡県生まれ。学習院大学法学部卒。統一日報社勤務などを経て入社。2005年1月から約10年間、ソウル特派員を務め、現在、編集委員。

脱「文在寅路線」 「非常識」な革新政治に歯止め

「文政権の5年間は、われわれが半世紀以上、常識と考えてきた自由民主主義と市場経済が覆されそうになった時期。だが、尹氏当選でようやくそれにも歯止めが掛かる」  韓国大手政策研究所の元所長は、尹氏当選の意義をこう語った。

強硬な北と対峙 有事に大量報復も辞さず

北朝鮮の対韓国宣伝ウェブサイト「わが民族同士」は先週、韓国大統領選後、初めて尹錫悦氏と保守系最大野党「国民の力」を批判する論評を掲載した。

対日改善に意欲 「徴用工」「慰安婦」の棘抜くか

「お互いできるだけ早く対面でもお会いし、対話を行いたいということは、私からも先方(尹錫悦氏)からもあった」  当選した尹氏と電話会談した岸田文雄首相は、記者団に会談内容をこう明らかにした。

「日米韓」復元へ 中朝の脅威に断固対応

今回の韓国大統領選は、得票率0・73ポイントという僅差で尹錫悦氏が勝利した、稀(まれ)に見る大接戦だった。投票終了時刻と同時に発表された地上波放送局3社による共同の出口調査でも、与党候補の李在明氏との差は極(ご)くわずか。直前の世論調査などから敗北を覚悟していた李氏陣営には一時、「十分に逆転可能」という期待が芽生え、高揚感に包まれた。

政権交代の申し子 権力に媚びぬ「公正」の人

尹氏の当選が決まった翌日、民放が尹氏をゲストに招いて昨年9月に放送した芸能番組が再放送された。番組収録時、すでに大統領選出馬を宣言していた尹氏は、あるエピソードを紹介した。

審判された文政権の失政

韓国大統領選で保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦氏が、与党「共に民主党」の李在明氏との稀にみる大接戦を制した最大要因は、政権交代を望む世論が過半数に達していたことにある。

尹氏 僅差でリード 対日・地域安保改善か

文在寅大統領の任期満了に伴う韓国大統領選挙が9日実施された。即日開票の結果、10日午前0時35分現在(開票率52・3%)、政権交代を訴えた保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦候補(61)が得票率48・4%で、革新系与党「共に民主党」の李在明候補(57)の48・2%を僅差でリードする大接戦となっている。

政権交代か継続か あす韓国大統領選

文在寅大統領の任期満了に伴う韓国大統領選挙が明日実施される。選挙は政権交代を訴える保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦候補と自身の行政手腕をアピールする与党「共に民主党」の李在明候補による事実上の一騎打ち。選挙結果は日韓関係や混迷を深める北東アジア情勢にも少なからぬ影響を与えそうだ。

韓国・文大統領の5年 「積弊まみれ」厳しい評価

 韓国の文在寅大統領は今春、5年の任期満了を迎え退任するが、韓国国内では厳しい評価も少なくない。特に「積弊清算」を口実に2人の大統領経験者をはじめ保守派に司法処罰が下されるよう仕向けた一方、自ら権力型不正に関わった疑惑など数多くの積弊を生み出したという批判が目立つ。反日路線や過度な対北融和など外交面でも汚点を残し、退任後は責任問題まで浮上しそうだ。

韓国でも敵基地攻撃論 北ミサイル発射

 北朝鮮は先月、1カ月に7回という異例の頻度で各種ミサイルを発射したが、これを機に韓国では北朝鮮のミサイル発射地点を先制攻撃する敵基地攻撃論がクローズアップされている。ただ、現状では移動式発射台や海中からの潜水艦発射型などへの対応は困難とみられ、来月の大統領選を経て5月に発足する次期政権が向き合う重い課題となりそうだ。

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