池永 達夫

タイ総選挙 与党惨敗の背景など深掘りない日経、言葉足らずの東京

14日の日曜日に行われたタイ下院総選挙は、革新系野党「前進党」がダークホースとなり第1党へと大躍進を遂げた。まさに選挙は水もの、多くの政界すずめも予想しなかった地滑り的勝利を前進党がものにした。日本では翌日が休刊日で新聞はなく、翌々日の16日付にタイ総選挙を社説で扱ったのは日経と東京だった。

「ポスト親軍政治」始動へ タイ総選挙  危惧されるクーデター再来

タイ下院総選挙では、軍政脱却を訴えた野党「前進党」が第1党に躍り出た。これと好対照だったのが親軍与党の惨敗ぶりだ。9年前のクーデター以後、長く続いた親軍政治に国民は飽き飽きしていた結果だ。クーデターを主導したプラユット陸軍司令官が首相に就任した当初こそ、国益を第一義とした踏ん張りがあったが、長期政権下で利権政治と堕した。

【持論時論】タイ総選挙の焦点―国際関係アナリスト 松本 利秋氏に聞く

タイの総選挙(下院選)が14日に行われる。焦点は、クーデターによってタクシン元首相の政権を奪い9年続いた親軍政治が終止符を打ち、タクシン元首相の次女ペートンタン氏を首相候補として担いだ野党・タイ貢献党が復権を果たすかどうかだ。タイ総選挙の展望を国際関係アナリストの松本利秋氏に聞いた。

ウクライナ和平、中国は調停者になれない

 中国の習近平国家主席は先月下旬、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、ウクライナに特別代表を派遣する考えを示した上で、「ウクライナ危機の政治解決のため自ら努力を尽くす」と述べ、和平調停に意欲を示した。両氏の会談は、ロシアのウクライナ侵攻後初めてとなるが、習氏の本気度は疑わしい。(池永達夫)

米韓核抑止強化、北朝鮮との非現実的な“対話信仰”維持の朝毎東京

バイデン米大統領は4月下旬、訪米した尹錫悦韓国大統領との共同記者会見で「北朝鮮が韓国に核兵器を使用すれば迅速、圧倒的、決定的な対応を取り、北の体制は終焉(しゅうえん)する」と強調、北朝鮮に対する核抑止力強化に関する「ワシントン宣言」を発表した。同宣言では、韓国が新設の協議体で北朝鮮に対する米国の核抑止計画に計画段階から関与するものとし、原子力潜水艦の韓国寄港も明記した。

「チャットGPT」論説で煮え切らない主要紙、メルマガがリスク指摘

農家を「終(つい)の棲(す)み処(か)」とし、農作業を「終の労働」と定めて2年が経過した。日も長くなり、今は朝5時から9時までの4時間を農作業に費やす農繁期になった。間もなく朝4時半から作業が始められる。

【記者の視点】中国「チャットGPT」規制 イノベーション路線と逆行

1988年の中国取材で、北京の中国新聞協会を訪問した折、驚いたことがある。玄関に近い教室ほどの部屋で、職員の政治学習集会が開かれていた。椅子に座って講話を聞くという形態でなく、2段の長椅子に立ったまま拝聴、唱和するというものだ。

カンボジア、中国傾斜が顕著に 人民解放軍と軍事演習再開

カンボジアの中国傾斜が顕著になってきた。フン・セン政権による野党解体やメディア弾圧などに反発して、経済制裁を科した米国の影響力が薄らいだ間隙(かんげき)を縫うように、中国の手が大きく伸びてきた。注目されるのは、アフリカのジブチに次ぎ2番目の中国人民解放軍の海外基地がカンボジアに建設されるかどうかだ。

中国がぶら下げたニンジンの赤い野心が見抜けない毎日、日経

3年3カ月ぶりの外相訪中となった。林芳正外相は、北京で秦剛外相や李強首相と会談。各紙は一斉に社説で論じたが、中国認識がいびつで大局観に欠けるものが目立った。

【持論時論】戦狼外交から関与外交に動く中国―国際関係アナリスト 松本 利秋氏に聞く

昨年10月の共産党大会で習近平総書記の3期目続投が決まった。それ以後、中国の外交路線が変化を見せている。戦狼外交を止め中東やモスクワなど積極的に出向き、関与外交を展開するようになった。その背景と真意を国際関係アナリストの松本利秋氏に聞いた。

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