深川 耕治
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香港、愛国教育で共産党の正統性浸透
1日に中国返還25周年を迎えた香港では、記念式典で習近平中国国家主席が「中央による全面的な統治権を堅持し、愛国者による香港統治を実現しなければならない」と述べ、中国共産党の指導による優位性を前提に一国二制度を長期にわたって変えない方針が明確化した。とくに愛国教育は「公民科」教育で中国本土への修学旅行が積極的に推進され、中国共産党の正統性を浸透させる実地見学を重視している。
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香港、来月中国返還25周年
7月1日、香港は英国から中国に返還されて25周年の節目を迎える。2019年の大規模な民主化デモを国家安全維持法(国安法)の制定で押さえ込み、反政府活動を封じ、反テロ対策をさらに強化している。コロナ対策では感染者数が押さえ込めていない。50年間、高度な自治を保障するはずの「一国二制度」は折り返し点を迎える。
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香港、次期行政長官に李氏確実 候補1人、〝マカオ式〟信任投票へ
香港政府トップの林鄭月娥行政長官が再選不出馬を決め、香港政府ナンバー2の政務官で警察出身の李家超氏が5月8日に行われる行政長官選への立候補を表明した。中国政府は李氏が唯一の候補と伝えており、選挙は返還後のマカオ行政長官選と同様の信任投票に一変。民主派を徹底排除し、競う複数候補すら許諾しない中国式の形式上だけの投票となりそうだ。
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中国 北京五輪後、ゼロコロナ崩壊 感染拡大で自治体トップ処分
北京冬季五輪、パラリンピックが閉幕したばかりの中国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、「ゼロコロナ」政策を続ける習近平政権は感染拡大を完全には抑え込めずに深刻化している。東北部の吉林省長春市や南部の広東省深●(=土へんに川)市、東莞市では事実上の都市封鎖(ロックダウン)に入り、責任を問われた行政幹部らの更迭も相次ぐ。香港は世界最悪の感染死亡率に陥り、中国式「ゼロコロナ」政策の限界が浮き彫りになっている。
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中国・北京五輪 マスコットの人気と影
パンダをモチーフにした北京冬季五輪の公式マスコット「氷●(=土へんに敦)●(=土へんに敦)(ビンドゥンドゥン)」や米国出身のフリースタイルスキー女子で金、銀メダルを獲得した中国帰化の谷愛凌(こく・あいりょう=アイリーン・グー)選手が人気に火が付き、公式グッズは品薄で超高値で売買されている。詐欺被害が発生しているだけでなく、違法コピーグッズが出回り、2008年の北京夏季五輪と同様、当局は一罰百戒で厳しい取り締まりに臨んでいる。
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中国「家庭教育促進法」の矛盾 学習塾禁止で流行る闇塾
中国では、子供の生活習慣の是正を求める「家庭教育促進法」が昨年10月、全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委で可決され、1月1日、施行された。受験戦争を助長する営利目的の学習塾が禁止され、オンラインゲームの未成年への規制が進む。学習塾とゲーム業界は倒産、リストラが拡大する一方、過酷な受験戦争は変わらず、有名大学に合格させたい親が闇営業の学習塾に通わせようとするなど、習近平政権が目指す「共同富裕」の本質が教育の側面から問われている。



