濃厚プリン「プヂン」はいかが ブラジルから

「プヂン」で調べると日本でもいくつもレシピが紹介されている。 (Google検索)
「プヂン」で調べると日本でもいくつもレシピが紹介されている。 (Google検索)

海外の食生活では、日本で食べていたものと同じような名前でも、全く違うものに出会うことがある。その一つが、ブラジル式プリンの「プヂン」だ。

ブラジルに来てしばらくした頃のことだ。レストランのスイーツコーナーにプリンそっくりのものを見つけたので、プリン好きの筆者は迷わず注文した。見た目がプリンそっくりのスイーツは、ポルトガル語で「プヂン」と発音する。

「プヂン」がテーブルに運ばれて一口食べた瞬間、「これじゃない」という言葉が脳内を駆け巡った。味自体は悪くない。ブラジルのスイーツに多い強烈な甘さを除けば、練乳を使った濃厚な味や少し固めのミルキーな食べ応えなど、スイーツとしてはかなりおいしい。

しかし、日本の味に飢えていた当時の筆者が求めていたのは、日本のコンビニなどで味わってきた柔らかくてなめらか、かつ甘みが控えめの「プリン」だった。よく考えてみれば、日本のプリンと同じものを海外で求めること自体に無理があったのだが、当時の筆者にはそのようなことを考える余裕はなかった。この「プヂン」、今ではわが家の大好物になっている。自宅でも簡単にできるので、通常のプリンに加えてブラジル産のコーヒーなどを混ぜたものを作っている。

最近になって知ったことだが、「プヂン」が日本でひそかなブームになっているというのだ。固めプリンの人気が出てきた中で、ブラジル式「プヂン」が紹介されたという流れのようだ。店によっては、売り切れ続出だという。できれば、ブラジル産のコーヒーと一緒に召し上がっていただきたい。ブラジルの風がテーブルの上に吹くかもしれない。(S)