夏時間には左右されない イスラエルから

24日からイスラエルは夏時間に移行した。10月下旬までの間は、1時間早く1日の活動を始めることになる。

時計の針を1時間だけ進めたが、機械ではない生身の体はそう簡単にはいかなかった。

朝の起床時間が1時間も違うと体は結構きつい。軽い時差ボケなのか、花粉症のせいなのか、とにかく日中は異常に眠くなる。体が慣れるまで仮眠を取ったり、早く寝るようにして徐々に調整するしかない。夏時間が終わる時には、逆に時計を遅らせるので1時間得した気分になるだろう。

イスラエルにはイスラム教徒のアラブ人も住んでいる。夏時間に入る前日、イスラム教のラマダン(断食月)が始まった。夜明け前から日没時まで断食するという。ラマダン初日、アラブ人の友人にイスラム教徒は断食明けの食事(イフタール)を何時に食べるのかと尋ねた。午後5時半と言っていたが、数日後には7時になっていた。月と太陽が基準なので、夏時間には左右されないのだ。

ラマダンの期間中、アラブの町の日中は比較的に静かだ。断食のせいだろうか疲れた表情の人を見掛ける。日中の仕事の時間は短くし、早く切り上げ、仕事を休みにする人もいる。

イフタールには豪華な食事を用意している家庭が多い。普段よりも食費に2倍も3倍もお金を掛けるという。夜になると男たちは家の外に出て、子供たちは電動自転車で走り回りとてもにぎやかだ。大人も子供も1年の中で一番楽しみな時間を過ごしているようだ。

(M)