
【サンパウロ綾村悟】中米ホンジュラス政府は25日、台湾との断交を発表した。同国外務省は25日、中国政府が主張する「一つの中国」政策に同意する形で「ホンジュラス政府は中国政府が唯一の中国と認める」との談話を発表した。台湾と外交関係を持つ国は、これで13カ国となった。
台湾と外交関係を持つ国は、2016年には22カ国だったが、中国政府がインフラ整備や新型コロナワクチンの無償提供などを通じて切り崩しをかけていた。台湾と外交関係を持つ13カ国のうち、7カ国が中南米・カリブ海諸国に集中している。

一方、台湾外交部(外交部)も26日、ホンジュラスとの断交を発表した。台湾側は「断交は、中国から台湾に対する威嚇と脅迫の一部」「ホンジュラス政府は断交発表直前に、(外交関係継続の見返りとして)数十億㌦の援助を要求した」などと断交に至った経緯を批判している。
中国の国営メディアは26日、中国の秦剛外相が北京でホンジュラスのレイナ外相と会談し、外交関係の樹立に合意したと発表した。
中国の台湾に対する外交攻勢は強まるばかりだが、台湾は戦略物資でもある半導体供給の中心地として、特に欧米との結び付きを強めている。また、米国もペロシ下院議長が昨年8月に台湾を訪問、台湾への軍事支援を強化するなど、台湾支援の動きを加速させている。



