【サンパウロ綾村悟】中米ホンジュラスのレイナ外相が22日、中国に向けて出国した。中国との国交樹立協議が目的とされている。
ホンジュラスは、台湾と外交関係を持つ数少ない国の一つだが、左派シオマラ・カストロ大統領が14日、中国との国交樹立に向けて動くようにレイナ外相に指示していた。中国との国交が樹立すれば、台湾とは断交することになる。これで台湾が外交関係を持つ国は13になる。
レイナ外相の訪中に対し、台湾外交部は「長年のホンジュラスに対する援助を無視した」として「強い不満」を表明、22日付で駐ホンジュラス大使を召還すると発表した。
一方、台湾からの報道によると、外交関係継続の条件として、ホンジュラス政府が台湾に対して債務返済協力を含む25億㌦(約3300億円)もの支援を求めていたことが分かった。
ホンジュラスのカストロ大統領は14日、中国との国交樹立は「経済的な理由」だと説明。同国は深刻な貧困問題に苦しむと同時に経済・財政危機にも直面しており、債務額は200億㌦(約2兆6千億円)にまで膨らんでいる。
台湾との外交関係を持つ国は中南米・カリブ海に集中しているが、来月30日には南米で唯一台湾と外交関係を持つパラグアイで大統領選挙が行われる。左派候補は、当選すれば台湾と断交して中国と国交を結ぶことを公約としており、注目が集まっている。
中国政府は14日、「『一つの中国』の原則に基づいて、ホンジュラス政府の選択を歓迎する」との声明を発表している。



