不法移民船が沈没 南イタリア沖 59人が死亡

【パリ安倍雅信】トルコから木造船に乗ってイタリアへの上陸を目指した不法移民船が26日、悪天候により南イタリア沖で転覆した。地元当局によると、これまでに12人の子供を含む少なくとも59人の死亡が確認された。行方不明者は数十人に上っており、死者はさらに増える可能性がある。船にはアフガニスタンやパキスタン、ソマリア、イランからの移民が乗船していたとみられる。

死亡者には乳幼児も含まれ、現場を訪れたマッテオ・ピアンテドシ内相は約30人が行方不明の可能性があると述べた。救助に当たった沿岸警備隊は、沈没後に海岸にたどり着いた人を含む約80人の生存が確認されたとしている。

難民船の救助について最近、法改正を行ったイタリアのメローニ首相は、就任以来初めての所信表明演説で地中海を渡る移民船を止めることを強調し、国内外から非難されていた。同首相は事故を受けて「深い悲しみ」を表明し、人身売買業者のせいだと非難したが、法改正により海上からの救援作業が難航しているという。