【上昇気流】(2023年2月14日)

天然ぶり

北陸在住の高校のクラスメートから、週末に友人同士、食べ物を持ち寄り家で同期会をやるとメールが来た。今の季節、美味(おい)しい海産物が多い。当日、ブリや甘えびなどの刺し身を大皿に盛った写真を送ってきて、気流子をうらやましがらせた。

中でも寒ブリは、今が旬の海の幸である。さかなクンと香音さんのコンビがさまざまな魚を紹介するNHKEテレの『超ギョギョッとサカナ★スター』でも、ブリを取り上げていた。

ブリは大きくなるにつれて名前が変わる「出世魚」であることがよく知られている。60㌢以上になりブリと呼ばれるまでの出世=大型化を支えるのが、大きな胃袋であることなど、生物学的な解説もなるほどと納得させられた。

また呼び方は地方によっても違い、例えば約20~40㌢のものを、関東では「イナダ」、関西では「ハマチ」、北陸では「フクラギ」と呼ぶ。呼び方は100種類ほどあるという。いかにこの魚が日本人に愛されてきたかの表れだろう。

それ以上に認識を新たにしたのは、同じ回遊魚でも大洋を移動するマグロと違い、東シナ海で産卵した稚魚が流れ藻について日本近海まで来てからは、日本海側、太平洋側双方で列島に沿いながら、その近海を行き来する魚であるということだ。

日本の固有種との説もあるが、いずれにしても日本を代表する魚であることは間違いない。番組でブリ愛がさらに高まった。郷里の友よ、クール便で寒ブリを送ってくれまいか。