【サンパウロ綾村悟】ブラジルのド・バル上院議員は、ボルソナロ前大統領の側近から、ルラ大統領が勝利した昨年10月の大統領選挙の結果を覆すための計画に加わるように求められたと証言した。ブラジル大手週刊誌「ベジャ」が2日付で報じた。
ド・バル氏に計画を持ち掛けたのは、ボルソナロ派のシルベイラ前下院議員。ド・バル氏は昨年12月9日にシルベイラ氏から大統領公邸に招かれ、ボルソナロ氏との会合に出席した。
ボルソナロ氏が同席する場で、シルベイラ氏がモラエス最高裁判事に電話をかけた。シルベイラ氏は、モラエス氏が何らかの問題発言を行うように仕向けてほしいとド・バル氏に要請したという。会話は録音されていた。
当時、モラエス氏は高等選挙裁判所(TSE)の長官を務めており、同氏が問題発言を行えば、ボルソナロ氏が敗北した選挙結果を覆す材料にする計画だった。同室にいたボルソナロ氏は、沈黙したまま座っていたという。
報道を受け、ルラ大統領は2日、「1月8日のクーデターに(ボルソナロ氏が)加担していたことがはっきりした」と主張した。
ブラジルでは、1月8日にボルソナロ氏を支持する約4千人のデモ隊が国会や最高裁などを襲撃する事件が発生していた。
一方、ボルソナロ氏の関係者は、「会合があったのは確かだが、(選挙結果を覆すような)違法な企てはなかった」と報道内容を否定している。



