【サンパウロ綾村悟】ペルー共和国議会(1院制・定員130人)は1日、ボルアルテ大統領が大統領選挙を含む総選挙を来年末に前倒しするように求めた改定案を反対多数で否決した。ペルーでは、急進左派カスティジョ前大統領の罷免と逮捕に伴う反政府デモの拡大で政情不安が続いている。
カスティジョ氏を支持するデモ隊は、同氏の解放とボルアルテ大統領の辞任、大統領選挙の即時実施を求めている。過激化したデモ隊と治安部隊の衝突で、これまでに58人の死者が出ている。また、デモ隊は空港など公共施設の占拠・破壊や幹線道路の封鎖なども行っており、甚大な経済的被害が生じている。
こうした中、ボルアルテ大統領は、総選挙を本来の26年から24年5月に前倒しする案を提示したが、デモの鎮静化には再度の前倒しが必要だとして、議会に対して23年12月の実施を要求。議会は24年5月案に対しては前向きな姿勢を示している。
ボルアルテ氏は、23年への前倒し案が否決された場合には、国民投票を含む憲法改正も辞さないとの強硬姿勢を示している。



