【サンパウロ綾村悟】米ホワイトハウスは1月31日、バイデン大統領が2月10日にブラジルのルラ大統領をホワイトハウスに招き、首脳会談を行うと発表した。1月1日に就任したルラ氏にとって初の訪米となる。
米政府によるブラジルの民主主義への揺るぎない支持に加えて、米国がオランダなどと3月に共同開催する「民主主義サミット」を見据え、民主主義的価値観の推進に向けた両国の協力などが議題となる見通し。両首脳は、アマゾン熱帯雨林の保護など気候変動問題や食糧の安全保障、移民問題などについても協議する予定。
「ピンクの潮流」とも呼ばれる南米の左傾化が進む中、米政府は南米諸国との外交関係の立て直しを急いでおり、南米の経済大国で左派諸国からの信頼もあるルラ大統領の訪米は、バイデン政権にとっても重要だ。
両氏は気候変動問題などの政策は近いが、ウクライナ問題では温度差がある。バイデン政権は、戦車供与などでウクライナ支援を強化しているが、ルラ氏は、ロシアによる侵攻を批判するものの、ウクライナへの武器供与には否定的だ。
ルラ氏は、過去にウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟に積極的な姿勢を示した際には、これを批判していた。



