動物大国のような「シャカラ」 ブラジルより

知人が郊外に持つ「シャカラ」に家族で招かれた。年越しは、除夜の鐘ならぬ街中に響き渡る盛大な打ち上げ花火で迎えたが、その後は緑に囲まれた郊外で知人たちとシュラスコパーティー。ブラジルならではの年越し・新年の過ごし方だった。

ちなみに、南半球のブラジルは夏真っ盛り。リオのビーチは、新型コロナの流行を忘れさせるほどの人混みだ。

「シャカラ」とは、ミニ農場といえばよいのだろうか、ブラジル人にとっては週末や休暇を過ごす「別荘」のようなものだ。持ち主の好みによっていろいろとアレンジされ、筆者が訪問したシャカラは動物王国のような所だった。

さまざまな木が生い茂るシャカラの中に乗馬用の場所が確保されているほか、ヤギやアヒル、ニワトリに大型犬などがいて、動物好きの子供たちは大喜びだった。筆者も久しぶりに乗馬を楽しんだが、大きな木々に囲まれた芝生の上で馬に揺られる時間は、最高の癒やしの時間だった。

お昼のシュラスコは、生演奏のセルタネージャ(ブラジルのカントリーソング)を楽しみながら、その場にいた数十人のゲストたちと会話を楽しんだ。ゲストは知人の親族や友人たちだ。

ブラジルに来た当初は、除夜の鐘や元旦のお参り、それに屋台のたこ焼きも楽しめない新年に寂しさを感じたのも事実だ。シャカラでの1日は、それは楽しい時間だったが、帰路のクルマの中で思わず海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」を口ずさみ、郷愁の念に駆られたのはここだけの話だ。(S)