
全国15の都道府県庁の中で今年度、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」(以下、「赤旗」)を公費で突出して多く購読しているのが和歌山県であることが、このほど分かった。同県庁の「赤旗」日刊紙は73部で少なくともここ数年変わらず、年間306万円余を支出してきたことになる。「赤旗」は岸田首相が昨年12月6日、破壊活動防止法に基づく監視団体の対象であると答弁した日本共産党の主要な資金源となっており、同党を公費で支える形だ。同県広報課は本紙の問い合わせに対し「来年度は、部数の見直し(削減)を行う予定」であると回答した。(「しんぶん赤旗」問題取材班)
本紙はこのほど、「15都道府県公費での『赤旗』購読数と料金」(2022年度)と「和歌山県庁での政党機関紙購読数」の二つの表を入手した。それによると、日刊紙で最も多かったのは和歌山県で、富山県、埼玉県が続いている。和歌山県のケースでは、18年度から変わらず毎年73部だが、富山では67部から46部、埼玉は59部から46部と減ったものの依然として多い。
また、和歌山県庁内での政党機関紙購読数の表によると、「赤旗」よりも自民党機関紙「自由民主」(84部)、公明党機関紙「公明新聞」(78部)、社民党機関紙「社会新報」(78部)の方が多い。ただ、年間購読費では4紙総計の約609万円の半額以上の約306万円を「赤旗」購読に費やしていることが分かった。
これについて本紙が県広報課に「今後、削減する計画はあるか」と問い合わせたところ、「来年度、全政党紙において購読部数の見直し(削減)を行う予定」との回答があった。同庁関係者によると、「昨年10月の決算特別委員会でこの案件が自民党県議から問題視された。『赤旗』は各部局1部ずつぐらいに大幅に抑えるよう検討することになりそうだ」という。
また、今回のデータ資料を提供した関係者は「全国の市町村役場レベルでも大量の購読が問題になりつつある」と話す。和歌山市役所のOB職員によると、「管理職の課長と副課長のほとんどが日曜版を購読し、市議が直接配りに来ていた」という。現在、114課あることから200部以上の購読数があると想定されるが、「最大の購読理由は議会でのいじめ質問の回避で、わずか月千円だったらやむを得ない雰囲気が強かった」という。議員の立場を利用した“強制購読疑惑”問題は、他の自治体にも多くありそうで見直しが迫られるのは間違いない。
岸田首相が昨年12月6日付で鈴木宗男参院議員の質問主意書(「日本共産党と破壊活動防止法」)に対して送付した答弁書の一部:日本共産党は、日本国内において破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)第四条第一項に規定する暴力主義的破壊活動を行った疑いがあり、また、同党のいわゆる「敵の出方論」に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識しており、現在でもこの認識に変わりはない。





