【サンパウロ綾村悟】ブラジル外務省は17日、同国が女性の権利向上や中絶への反対、家庭の価値強化などを言明した「ジュネーブ合意宣言」から脱退したことを発表した。
同宣言は、ボルソナロ政権下のブラジルが、米国やエジプト、ハンガリーなど30カ国と共に2020年10月に署名していた。
トランプ政権下の米国やブラジルなどが中心になって進め、中絶権の促進を進める国際的な動きに反対する国々が集まっていた。
昨年10月の大統領選挙では、保守派でキリスト教福音派からの支持が厚いボルソナロ前大統領が「反中絶合法化」を掲げる一方、ルラ大統領は「中絶合法化」を主張、大統領選挙の争点の一つとなっていた。
ルラ氏が当選したことにより、同宣言からブラジルが脱退するのは時間の問題だとみられていた。ブラジル外務省は同日、同宣言から脱退すると同時に、チリとパナマ政府が20年に結んだ「サンチアゴ憲章」に参加することを発表した。同宣言には、ジェンダー平等・多様性や中絶権の推進などが盛り込まれている。



