パレスチナで子供のうつが多発、ブレイクダンスでメンタルケアも

パレスチナの様子(UPI)
パレスチナの様子(UPI)

閉塞感強まる自治区

イスラエルで右派リクードのベンヤミン・ネタニヤフ氏を首班とする政権が誕生した。イスラエル史上「最も右寄り」とされており、パレスチナとの関係がさらに悪化するのではないかと懸念されている。昨年からパレスチナ自治区ヨルダン川西岸では、イスラエル治安部隊とパレスチナ武装勢力との衝突も激化、自治区内での閉塞(へいそく)感は一層強まっている。

英紙ガーディアンは、パレスチナ自治政府幹部らが、イスラエル政府が自治政府を破壊しようとしていると警戒心をあらわにしていることを伝えた。

パレスチナのマジュダラニ社会開発相は、「ネタニヤフ、ベングビール、スモトリッチ各氏は、自身の思想の一環として自治政府を破壊することを狙っている」と訴えている。

極右「オツマ・ユディット」の党首ベングビール氏は、以前からパレスチナ人の追放を主張し、新内閣で国家治安相に就任した。政権発足早々に、エルサレム旧市街にあるイスラム教、ユダヤ教双方の聖地を訪問し、パレスチナ、アラブ諸国からの反発を招いた。

右派「宗教シオニズム」を率いるスモトリッチ氏は財務相に就任、さっそく、西岸のユダヤ人入植地への巨額投資を表明した。

マジュダラニ氏は、ネタニヤフ政権が自治政府に代わる自治体をつくろうとしていると指摘、「西岸に新たな現実をつくろうとしている」と主張している。

国連によると、昨年12月19日までの同年中の、イスラエル治安部隊との衝突によるパレスチナ人の死者は150人以上、イスラエル人も20人以上死亡した。国連の中東特使、トール・ウェンズランド氏は「数年間で最多」と述べている。