フィンランドの人は花火で新年を迎える。クリスマスのセールが終わるころ、スーパーやホームセンターでは年末まで花火が売り出される。
この短い期間のみならず、花火販売は厳しく取り扱われ、消費者は陳列棚から花火を手に取って選択して買うことはできない。花火売り専用のブースの前で、販売員にチラシや写真を見ながら注文して買う。
また、花火を18歳未満の子供だけでは買うこともできない。フィンランドの花火、特にロケット花火は日本の花火よりも火薬量が数倍多いので、安全ルールがいろいろ定められているのだ。
例えば、安全ゴーグルを着用するとか、建物から15メートルは離れて使用するとか、許可された時間内で楽しむとかさまざまである。ちなみに花火を楽しむ時間は、大晦日(おおみそか)の午後6時から新年を迎えた午前2時までなのだ。
この時間帯は、あちらこちらでパーンと花火が爆発して夜空に花が開く音が響きわたり、また火薬のにおいがプンプンする時間でもある。国内にある花火のほとんどが、新年を迎えるこの短い時間帯に使用される。静かに除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べて新年を迎える日本人とは違い、パーン、パーンとうるさく響き渡る音を聞きながら新年を迎えるのがフィンランド人だ。
人々は、花火を見ながら楽しむが、ペットにとってはうるさい音で、最もストレスを感じる年越しの時間となり、この時間、特に犬は散歩に行こうともしない。(Y)



