米首都ワシントン郊外のバージニア州北部にある大型ショッピングモールで新年早々の1日、買い物客たちが突如パニックになり逃げだすという騒ぎがあった。この混乱は、銃撃事件が起きたとのうわさによって引き起こされた。だが、地元警察によると、実際には発砲はなかった。モール内の宝石店で男がショーケースのガラスを割り、盗みを働いたことが発砲のうわさに発展したようだ。
クリスマス前の買い物客でにぎわう昨年12月の週末にも、同じモールで銃撃があったとして、多くの人が出口に向かって逃げだした。モール内で非番の警察官が、強盗事件に関与していた可能性のある容疑者2人を拘束し、銃を押収したことがきっかけだが、実際に発砲はなかった。
いずれも根拠のない空騒ぎだったわけだが、人々が神経質になっているのには理由がある。昨年6月にこのモールで実際に発砲事件があった。発砲で怪我(けが)をした人はいなかったが、3人が避難の際に軽傷を負った。また昨年11月には、同州内のスーパーの従業員が6人の同僚を射殺する事件も起きている。
このモールはデパートやブランド店が並ぶしゃれた雰囲気の場所で、筆者も時々行くが、これまで危険を感じたことは全くない。しかし、米国全体で犯罪が増加する中、多くの人が漠然とした不安を感じているのではないか。
だが、心配しながら買い物したいとは誰も思わないだろう。今年こそは、治安が改善する一年となることを願う。
(Y)



