.jpg)
中東初のW杯カタール大会が昨年開催され、日本が活躍しアフリカ勢が初のベスト4入りを果たすなど、世界のサッカー人気は相変わらず。いや、他のスポーツとは違う別次元の盛り上がりを見せたと言ってもいいだろう。
サッカーの発祥地は、今日普及している各種スポーツの母国である英国。18世紀に産業革命が起こって蒸気機関などの発明が相次ぎ、英国から世界にさまざまな製品が輸出された。その時に外国に行った技師などがサッカーを広めた。
他のスポーツのように特別な道具は必要なく、ボールさえあればフィールドはどんな大きさでも遊ぶことができる。
もともと英国では「集団の協調精神、フェアプレイの精神、男らしさを涵養する有用な教育手段」「ジェントルマンを育成する」(「『非労働時間』の生活史―英国風ライフ・スタイルの誕生」)などの目的で統一ルールを確定させた経緯がある。サッカー競技に込められたそういう精神文化が、世界に広く受け入れられたわけだ。
文化伝播(でんぱ)の要諦は、まず世界の至る所に出掛けていくことだ。「インド太平洋時代」の海洋国家わが日本。日本人が世界を巡りながら播(ま)いていくのは、その奉仕精神や協調性、技術的能力といったものだろう。
例えば、海面上昇の脅威にさらされる太平洋の島国キリバス。以前、その名誉領事に技術協力などで日本の青年海外協力隊が活躍している話を聞いた。世界の隅々に希望と奉仕の灯を灯(とも)したい。



