イスラエルでは18日夜から26日まで、ユダヤ教のハヌカ(清めの祭り・光の祭り)を祝い、街々に設置された大きなハヌキヤという八枝の燭台には、毎夕火が灯(とも)されている。
イスラエル中のベーカリーやスーパーマーケットの店頭には、「スフガニヤ」というイチゴジャムなどが中に入った円形のドーナツが並び、子供はもちろん、大人もこの時期を楽しみにしている。年々、キャラメル味、チョコレート味など種類が増えて豪華になり、先日エルサレムのお店で見た時は、さまざまな味のデコレーションがトッピングされ、しゃれたお菓子に姿を変えていた。ハヌカには、キリスト教のクリスマスのように子供たちは両親からプレゼントをもらう。
紀元前2世紀、イスラエルの地はギリシャ帝国(セレウコス朝)の支配下にあった。ギリシャ人たちはユダヤ教禁止令を出し、エルサレム神殿にギリシャの神々を祭って崇拝を強要した。この圧制に対しユダヤ人が武装蜂起。強力なギリシャ人の軍隊を追い出してエルサレム神殿を奪還した。その時、神殿の燭台を灯す油が1日分しか残っていないと思われたが、8日間も火を灯し続けることができたという。
この油にまつわる奇跡を祝い、ユダヤ人はハヌカの期間中に油で揚げた料理を食べる。スフガニヤをはじめ、すり下ろしたジャガイモや人参を揚げた、野菜のかき揚げのような「レビボット」という伝統料理もよく食卓に上る。ハヌカが終わる頃には体重が増しているという。(M)



