種苗メーカーから約50点の菊 秋田県 花の祭典/秋田拠点センターアルヴェ

菊と言えば、庭に生えている小菊や、菊人形の大輪は知られているが、切り花用の品種改良が活発にされている。秋田市の秋田拠点センターアルヴェで先日開かれた「秋田県花の祭典」では、種苗メーカーから約50点の菊が出品された(写真)。中には、秋田県オリジナル品種として2012年にデビューし東京大田市場で大人気の「NAMAHAGEダリア」そっくりの真ん丸い花もある。

花屋に切り花として出回っているのは、従来の小菊と輪菊(白や赤や黄色)のほかに、小菊よりは花が大きくカラフルな「スプレーギク」と「ディスバッドマム」がある。

後者は聞きなれない名前だが、通常の品種の脇芽を取り除き、一輪の花に栄養分を集中させて大きく豪華に仕立てたもの。切り花として出回り始めたのがごく最近で、「ピンポンマム」とか品種名の「アナスタシア」なども使用される。同祭典が開かれた会場でもこれらの名前が混在していた。品種がどんどん増えてきたので、花き業界では「ディスバッドマム」とのくくりで呼ぶのだという。

「華やか、鮮やかで、色もオレンジ、緑、ピンク、赤、紫、グラデーションもいろいろ。しかもダリアと比べて切り花は日持ちする。ただダリアは巨大輪もあり続々と新品種が出ているので、そこはお好みです。消費者の方が『この菊はきれい』となれば、それが生産量の拡大や新たな品種改良につながります」(関係者)。

(伊藤志郎、写真も)