色の変化をイメージ 「大曲の花火ダリア」10品種咲く/秋田県

紫色の花を夜空に咲かせ、最後に先が銀色に乱れる花火をイメージした「紫銀乱(むらさきぎんらん)」。全国的に有名な「大曲の花火」にちなんで開発されたダリアが、秋田県大仙市の県立農業科学館の広場で次々と花を咲かせている。

JA秋田おばこと市が、花火のブランド力を高めようと2016年から開発。毎年種類を増やし、今では10品種がそろった。

花火師も含め、新品種の中から色・形を見て投票し選出。「花紫音(はなしおん)」は濃い紫色が鮮やかに夕空を彩る昼花火を、「橙炎(とうえん)」はオレンジ色と花弁の揺らめきが「炎」をイメージさせる。「和火(わび)」は燃焼温度が低い黒色火薬系の赤橙色の花火の名前をそのまま取った。

「大曲の花火ダリア」の栽培を最初に始めたのは、同JAの前ダリア部会長で太田地域に住む高橋孝夫さんと高橋明美さん、伊藤和子さんの3人。

さまざまな品種のダリア栽培に11年前から取り組む。巨大な品種では直径30㌢にもなり、茎が倒れないよう支柱を立てるなど高度な育成技術が不可欠。同JA管内では約50戸の農家がダリアを栽培し全国に出荷する。

国内で流通するダリアの7割以上の品種を作り出したのは秋田国際ダリア園の鷲澤幸治(わしざわこうじ)さんで、同園は11月初旬まで開園。他に株数が多いのは両神山麓花の郷ダリア園(埼玉県)、なばなの里(三重県)、宝塚ダリア園(佐曽利園芸組合・兵庫県)。

(伊藤志郎)