コメの評価基準は香り タイから

タイ米は日本のジャポニカ種と違い、細長いインディカ米で味わいも異なる。

わが国では昔、囚人用に輸入したタイ米を用いた経緯があり、臭い飯として評価が低かった。だが、食べ続けていると、「旨い」と感じるようになるし、味わいの良さを理解できるようにもなる。

バンコク駐在家庭の中には、スクーンビットの日本食専門スーパー「フジ」などで、コシヒカリなど日本米を購入し続ける人も少なくない。だが「郷に入れば郷に従え」で、食べ物も「郷」の物を使うことで、駐在国をぐっと深く理解できるようになるような気がする。

タイ米には、ジャスミンライスに代表される香りの付いた米がある。ジャスミンティーはお茶に香り付けのジャスミンを加えたものだが、ジャスミンライスは稲穂の段階から、香りが漂う。

タイ米は約100種類ほどあるとされるが、この中で結構、香り米は幅を利かす。

米の評価基準が日本人とタイ人では違う。日本ではうま味が重視され、新米の評価が高いが、タイで重視されるのは香りだ。だから経年しないと、いい香りが出てこない米は、古米のほうが新米より値段が高かったりする。

かつて米輸出世界一だったタイでは、海外への輸出も盛んだ。

シンガポール、香港などアジアの都市国家・地域だけでなく、近年は中東市場が急拡大している。

なお、沖縄で古くから伝わる焼酎「泡盛」に使われている米はタイ米だ。約600年前のアユタヤ時代からの交流によって生まれたのが「泡盛」だ。(T)