多発する「犬の盗難」、身代金要求も 米国から

地球だより

米国では、毎年200万もの犬が盗まれているとされる。新型コロナウイルスのパンデミック後、在宅勤務が増え、ペットの需要が高まったこともあり、増加しているという。

特に狙われるのは、フレンチブルドッグやヨークシャーテリア、チワワなど小型で高価な犬種だ。盗難の目的は、転売で利益を上げることなどだが、中には身代金を要求するケースもある。

メリーランド州で6月、一軒家の玄関先にいた飼い犬のヨークシャーテリアが突然姿を消した。監視カメラを見てみると、男女2人組がその犬をおびき寄せ、持ち去る姿が映し出されていた。

その後、女は電話で返してほしければ1200㌦の身代金を払えと要求し、檻(おり)に閉じ込められた犬の動画を送ってきたという。幸い、犯人たちは逮捕され、犬は無事帰ってきた。

多くの飼い主にとって犬は家族の一員であり、こうした盗難は「犬の誘拐」とも表現される。しかし、米メディアによると、ほとんどの州ではペットの盗難を軽犯罪とみなしており、比較的小さな罰金で済むという。

ただ例外もあり、バージニア州では、犬の金銭的価値にかかわらず、最大10年の懲役刑に処せられる。

いずれにしても、ある日突然、愛犬を盗まれれば、飼い主は悲嘆に暮れることになるだろう。財布やバッグ、自動車などの盗難対策も大事だが、それに加え、犬などのペットも盗まれないよう用心する必要がある。(Y)