【ヘルシンキ吉住哲男】フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領は23日、在外大使たちの年次総会で、「フィンランドとロシアが今まで築いてきた関係は、ほぼ残されていない」と指摘した上、「新しい関係の始まりの土台となるものは何もない」と語るとともに「今はロシアとの関係を構築するのに適切な時期でない」と述べた。また、「現在、存在するロシアとの依存関係も慎重に再検討すべきだ」との考えを示した。
北太平洋条約機構(NATO)加盟のプロセスに関してニーニスト氏は、ロシアがウクライナ軍事侵攻してから6カ月の間にフィンランドが加盟申請をし、NATO30カ国のうち23カ国がすでに加盟を批准していることを称賛。NATO加盟が自国の防衛のさらなる強化につながり、北欧地域での防衛を保障するものとなると強調した。
一方、トルコに対してニーニスト氏は、「トルコが批准を進める準備ができるまで、忍耐が必要だ」との認識を示す一方、「いずれトルコとの信頼関係が築かれる」との楽観的見通しを示した。



