ウクライナ原発 現地調査で合意 仏露首脳が電話会談

【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は19日、ロシアのプーチン大統領と電話協議し、露軍が占拠するウクライナのザポロジエ原発への国際原子力機関(IAEA)の専門家による現地調査を受け入れることで合意した。仏大統領府が明らかにした。

大統領府は、プーチン氏が専門家派遣団のウクライナ支配地域通過を受け入れたことで障害は取り除かれたとしており、「できる限り早期に」派遣される。施設に至るルートの詰めや、安全確保のため再協議が近日中に実施される。

欧州最大級の同原発をめぐっては今月上旬から付近で攻撃が繰り返され、ロシアとウクライナ双方が「相手側による攻撃だ」と主張している。

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、ザポロジエ原発のロシア支配を「核のテロ」と断定。北大西洋条約機構(NATO)もIAEAの調査団受け入れを強く要求している。IAEAのグロッシ事務局長は、原発施設への攻撃は「非常に重大な結果を招きかねない」と国連安全保障理事会で調査実施の必要性を訴えていた。