2日に日本気象協会は気温40度以上の日を「酷暑日」と呼称すると発表したが、ネパールの首都カトマンズでは30度を超えることはあまりなく、比較的過ごしやすい。
だが、西に約400キロの都市インド国境沿いにあるネパールガンジのように酷暑都市もある。何度か足を運んだが、夏季の平均気温が37~38度で40度を超えるのも珍しくない。
日本では、熱中症にならないように塩飴やスポーツドリンクなどを摂取して対策を行っていると日本にいる友人からも聞いたが、ネパールでも暑さで調子の悪い時に一般的に飲まれているもので、日本語で「命の水」を意味する飲み物がある。
この飲み物は、現地では「ジブンジャル」と呼ばれており、簡単にいえばヒマラヤ岩塩とレモン汁と砂糖を混ぜた水である。ヒマラヤ岩塩というとピンク色の岩塩(ピンクソルト)を思い浮かべる人も多いだろう。が、このジブンジャルでは、ビレヌンと呼ばれている黒色の岩塩(ブラックソルト)を使用する。
ブラックソルトの特徴は、採掘される場所が他の岩塩より深い地下約5000メートルの地層から採掘されており、独特な香り(硫黄臭)を持っているのが特徴だ。ちなみに味は硫黄臭もあり、お世辞にも美味(おい)しいとは言えず、現地の人も不味(まず)いと言わざるを得ないものだ。
ただ、筆者は熱暑で倒れるほどのピンチに遭遇していないが、「命の水」というだけあって清涼飲料水の味わいとは違う処方薬と思って飲めば体が生き返るに違いない。(T)



