サル痘感染者978人に―ブラジル

WHO「98%は男性同性愛者」

【サンパウロ綾村悟】ブラジル保健省は27日、同日までにサル痘の感染者が978人確認されたと発表した。

ブラジルで初のサル痘感染者が確認されたのは6月11日。当初は欧米への旅行歴がある感染者が多かったが、国内感染例も急増しており、当局は感染者の隔離と治療、検査体制の強化を進めている。

全国27州のうち16州で感染者が確認され、保健省は世界保健機関(WHO)などを通じてワクチン確保に動いている。

WHOの米州事務局である汎米保健機構(PAHO)は27日、米州の18の国と地域で、約5300人のサル痘感染者が確認されたと報告した。感染者の多くは米国とブラジル、カナダに集中している。

一方、WHOのテドロス事務局長は、27日の記者会見で、「感染者の98%が男性の同性愛者だ」と公表し、感染拡大を防ぐために性行為のパートナーを限定することを推奨。ただ、「サル痘は誰もが感染する可能性がある」とも述べ、同性愛者への偏見や差別につながらないよう求めた。