【パリ安倍雅信】フランスで2015年11月13日に発生したイスラム過激派による史上最悪のパリ同時多発テロで、1人だけ実行犯として生き残ったサラ・アブデスラム被告とテロに関与した13人の被告は、6月29日に特別大法廷で下された判決に対して、全員が11日深夜までに上訴せず、判決は確定した。フランスで近年、最も注目を集めた同時多発テロ事件の裁判はすべて終了した。

130人が死亡した同事件では、リーダー格のモロッコ系ベルギー人、アブデルハミド・アバウドテロ容疑者がテロ実行後、潜伏していたアパートで発見され、対テロ特殊部隊との銃撃で死亡した。他の容疑者もバタクラン劇場内やスタッド・ド・フランス付近で自爆し、テロ実行後、逃亡していたサラ・アブデスラム被告が唯一実行犯として生き残り、事件4カ月後にブリュッセルで身柄を拘束された。
アブデスラム被告に対して特別大法廷は仮釈放なしの終身刑を言い渡した。他の13人の被告も禁錮2年~終身刑の判決を受けた。同テロ事件で計20人が有罪判決を受け、うち6人は死亡したと推定され、欠席裁判となった。



