安倍元首相銃撃を速報で伝える 英仏メディア

【パリ安倍雅信】フランスのニュース専門テレビ局、BFMTVは8日、仏通信社AFP電の速報で安部晋三元首相が奈良市で参院選挙終盤の応援演説中に襲撃され、首から血を流して倒れ、心肺停止状態と伝え、当時の映像も放映された。安倍氏が長期政権を維持した人物と伝え、日本のメディアが、殺人未遂で男を逮捕し、武器を押収したことも伝えた。

一方、英公共放送BBCも安倍氏襲撃事件を速報で伝え、散弾銃で2回撃たれて、心肺停止状態と伝えた。また、「安倍元首相の容態は現在不明」との松野官房長官が記者団に語ったことも伝えた。日本のSNSには襲撃当時のビデオが流出し、目撃者の話として犯人と思われる男は「大きな武器を所持していた」との証言も報じた。

BBCは、安倍氏は「日本で最も長く首相を務めた人物で、健康上の理由から辞任した」と伝えた。さらに「日本では、銃による暴力事件はまれであり、政治的暴力事件はほとんど前例がない」とも指摘した。「2014年には、米国で銃にからむ事件は33599件起きているが、日本では6件だけだった」とし、日本では「銃の購入には、厳格な検査とメンタルヘルステストを受ける必要があり、ショットガンとエアライフルのみが許可されている」と伝えた。

BBCは世界中の著名な人物がこの事件を受け、即座に非難声明を出したと報道。元オーストラリア首相のケビン・ラッド氏は「民主主義信奉者への攻撃」との声明を出した。さらにエマニュエル駐日米国大使の弁として、安倍氏は「日本の卓越した指導者であり、米国の揺るぎない同盟国」であり、米国は「彼の活躍を祈っていた」と付け加えた。