あきた芸術劇場ミルハスが開館 秋田市

 高い音響性能と舞台機能

新たな文化芸術の創造拠点として「あきた芸術劇場ミルハス」が6月、秋田市千秋公園の堀沿いに開館した(写真)。地上6階地下1階。高い音響性能と舞台機能を併せ持つ大ホール(約2000席)と臨場感を重視した中ホール(800席)、そして二つの小ホールと練習室、研修室、創作室を備える。老朽化した県民会館と市文化会館に代わり、県民会館の跡地に県と市が共同で建設した。総事業費は約254億円。

大ホールは、コンサートやオペラ、歌舞伎、ミュージカルなど幅広い演目に対応。天井の照明は組子細工をイメージして造られ、ホール全体が柔らかな曲面で優しさに包まれた内装となっている。中ホールは、演劇、ダンス、音楽など、演者の声が客席に届きやすく、臨場感にあふれる構造。

メインエントランスを入るとエスカレーターがあり、左手には樺(かば)細工と川連漆器(かわつらしっき)、大館曲げわっぱなど秋田の伝統工芸品を取り入れた総合受付。その他、ミルハスの随所に秋田杉を使用した休憩用の机や椅子が配置されている。また堀側のガラス面から四季折々の千秋公園の風景が楽しめる。研修室、創作室、練習室はすでに利用可能。一方、大・中・小ホールは舞台設備の確認など経て9月にグランドオープンする。

来館者からは「大・中ホールも見たい」という声が多数寄せられ、土日の週1回、時間を決めてホールを公開。またレストランは営業している。

(伊藤志郎)