安倍元首相「自衛隊明記を」 超党派議員が新憲法制定大会  

「新しい憲法を制定する推進大会」であいさつする安倍晋三元首相 =23日午後、東京千代田区

超党派の国会議員らでつくる新憲法制定議員同盟は23日、東京都内で「新しい憲法を制定する推進大会」を開いた。岸田文雄首相(自民党総裁)はビデオメッセージを寄せ、「憲法改正の議論に国民が主体的に参画する機会を積極的に設け、改憲に向けた機運をこれまで以上に高めていきたい」と述べた。

同議員同盟の名誉会長として出席した安倍晋三元首相は、ロシアの侵攻を受けるウクライナについて「彼らが命を懸けて戦っている姿から何か学び取らないといけない」と述べ、「日本を守り抜く責任は私たち自身にある。シビリアンコントロール(文民統制)の貫徹という意味でも憲法に(自衛隊を)明記する必要がある」と改めて強調した。

このほか改憲に前向きな与野党から代表者が出席。自民党憲法改正実現本部の古屋圭司本部長は今国会で憲法審査会が毎週開催されていることに触れ、「いよいよ稼働し始めた。戦後初めての憲法改正に向け、徹底的に環境整備、世論喚起していく」と力を込めた。公明党の北側一雄副代表は「憲法審査会でこれだけ中身のある議論ができているのは私が知る限り初めてだ」と指摘。「議論を重ね、国民の理解を得られるよう全力で取り組む」と語った。

日本維新の会の足立康史憲法改正調査会長は「野党の雄としてしっかり憲法改正議論をリードする」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表は「緊急事態条項に最優先で取り組むべき」とした上で、「自衛隊が国際的な軍隊なのかを避けないで議論すべきだ」と訴えた。

これに先立ち、ジャーナリストの細川珠生氏らが記念講演を行った。大会では、「各党各会派が憲法に対する考えを国民の前に明示し、憲法審査会で具体案を作成するための議論を積み重ね、憲法改正実現に向けた作業を加速すべき」との決議文を採択した。