ブラジルは、新型コロナウイルスの流行が終わったかのような高揚感が広がっている。街中は人であふれ、サッカーの試合やコンサートなども新型コロナ流行前と同じように開催されるようになった。
先日、イースター(復活祭)の休日に家族でドライブを楽しんでいると、サーカスのテントが目に入った。子供たちの「サーカスが見たい」という声に押され、気が付いた時には巨大なテントの前に立っていた。
人生初のサーカス体験がブラジルになるとは思わなかったが、入場チケットを買い、軽食やグッズなどを購入した。入場料はそれほど高くなく、映画館や遊園地と同じようにグッズ販売で利益を上げているのだろう。
プログラムを聞いて少し驚いたのが、動物のショーがないことだ。後で調べると、サーカスで使われていた動物の虐待などが問題となり、ブラジルでは10年以上も前からサーカスで動物を使うことは禁止されているのだという。
ちなみに、スタッフや入場客などでマスクをしている人はほとんどいない。
ショー自体は、想像以上に楽しいものだった。中規模のサーカス団だったが、プログラムや内容がとても練られており、観客席からは驚きの声や笑い声が絶えなかった。サーカスの動画を見たことはあるが、直接体験する感動は全く違うものだ。
ショーの後で責任者に話を聞くと、やはり新型コロナの流行中は興行が行えず、とても大変だったという。興行が再開され、観客が楽しむ姿を見ることが何よりの励みだと話していた。コロナ禍で失われていた「体験の場」を今後も少しずつ増やしていこうと思っている。(S)



