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尹政権1年の外交総括 前政権と真逆の政策推進

日韓首脳によるシャトル外交が復活した。3月に尹錫悦韓国大統領が来日し、5月には岸田文雄首相がソウルを訪問した。隔世の感がある。「ノー・ジャパン」「二度と日本に負けない」と対抗心を隠さなかった文在寅政権では考えられなかったことだ。

【心をつむぐ】洞窟の囚人となるなかれ

古代ギリシャの哲学者プラトンは、『国家』の中で本当の真理「イデア」を説明するのに、洞窟の比喩を用いているが、現代に生きるわれわれもまさに洞窟の世界にいるといえる。

弘法大師・空海の生誕1250年 「大師」号を奏請 再興図った観賢

弘法大師空海の生誕1250年の今年、生誕地とされる香川県善通寺市の総本山善通寺などで記念行事が行われている。空海は真言密教の宗祖として知られるが、教えが今に伝わるのは「大師(だいし)信仰」によるところが大きい。その大師号下賜に尽力したのが空海と同じ讃岐生まれの僧観賢(かんげん)で、地元の小学校で郷土の偉人として学習に取り入れ、成果を挙げている。

【上昇気流】(2023年5月13日)

ドイツの哲学者イマヌエル・カントには、墓碑にも刻まれている有名な言葉がある。「見れば見るほど美しく、考えれば考えるほど尊いものが二つある。それは星の輝く大空と、胸の内なる道徳律である」。西洋哲学史上、屈指の名著とされる『純粋理性批判』(1787年)にある。

原稿には252首「昭和天皇の未発表御製」岸信介元首相を悼む3首や平和を願う御心

昭和天皇の御製(和歌)の草稿の直筆原稿とメモがこのほど見つかった。宮内庁の罫紙に書かれた原稿は、昭和天皇に近い人が保管していた物で、世界日報社が写真撮りし、分析調査を進めていた。昭和天皇の和歌の相談役を務めていた岡野弘彦氏も、「昭和天皇の真筆に間違いない」としている。原稿には252首が書かれており、昭和62年8月岸信介元首相の死去に際し、元首相を悼む3首や大島で災害救助に当たる人々を詠んだ歌など未発表の御製も含まれ、昭和史の資料としても貴重な価値を持つものだ。

空爆で武装組織司令官殺害 イスラエル軍 ガザからロケット弾500発   

イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ地区で武装組織「イスラム聖戦」を標的とした空爆を実施し、ロケット部隊の司令官を含むイスラム聖戦メンバー3人が死亡したと発表した。イスラエル軍によれば、10日から11日朝までにガザ地区のイスラム聖戦の拠点など147カ所を標的に攻撃を行ったという。

【持論時論】タイ総選挙の焦点―国際関係アナリスト 松本 利秋氏に聞く

タイの総選挙(下院選)が14日に行われる。焦点は、クーデターによってタクシン元首相の政権を奪い9年続いた親軍政治が終止符を打ち、タクシン元首相の次女ペートンタン氏を首相候補として担いだ野党・タイ貢献党が復権を果たすかどうかだ。タイ総選挙の展望を国際関係アナリストの松本利秋氏に聞いた。

米兵驚きの戦場用サウナ フィンランドから

首都ヘルシンキから北西に270キロの地点にあるニーニサロ村に、約2200人の部隊が集結し、1日から14日まで、「アロー23」と呼ばれる大規模な軍事演習が行われている。

縮小したロシアの戦勝記念日 謎残るクレムリン無人機攻撃

ウクライナの大規模攻勢が予想される中、ロシア国内では鉄道や送電線などを狙った破壊工作が続いている。攻勢を前にロシア軍の兵站(へいたん)を混乱させることが目的とみられる。一方で、クレムリンを狙った無人機攻撃も行われた。この無人機がどこから飛来したのか、誰が行ったのか、真相は謎のまま、9日には戦勝記念日の式典が行われた。

【社説】G7と人工知能 民主主義守るルール作りを

先進7カ国(G7)が群馬県高崎市で開いたデジタル・技術相会合では、人工知能(AI)を適切な規制の下で活用して「信頼できるAI」を目指す共同声明が採択された。革新的な技術のルール作りに関して、民主主義の理念に基づく「5原則」を表明したことは評価できる。

【国境警報】中国公船が領海に侵入 今年13回目、漁船に接近 沖縄・尖閣沖

沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で11日、中国海警局の「海警」2隻が日本の領海に侵入した。中国公船による尖閣諸島沖の領海侵入は4月26日以来で、今年13回目。

【連載】G7広島サミットの焦点(2) 米国、同盟国に注文 対中露で包囲網強化を狙う

米国は、国内における超党派での中国脅威論の高まりを背景に、国際的な対中包囲網形成をリードしてきた。経済安全保障が主要議題の一つとなる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、半導体の輸出規制やサプライチェーン(供給網)の脱中国依存で各国との連携強化を目指す考えだ。

【上昇気流】(2023年5月12日)

「CIS(独立国家共同体)各国首脳が集まったのは重要だ。(旧ソ連国民)全員が勝利に貢献した」――。ロシアのプーチン大統領はモスクワの「赤の広場」で催された対ドイツ戦争記念行事の演説の中でこう述べた。この言葉の持つ意味は結構複雑だ。

焚き火の祭り「ラグバオメル」イスラエルから

イスラエルでは5月8日の日没から9日にかけて、ユダヤ教の祭り「ラグバオメル」を祝った。ユダヤ教三大祭の一つである「過ぎ越しの祭り」の2日目から毎日、麦の束(オメル)を数えて、33日目がこの日に当たる。ラグとはヘブライ数字で33を表す。

長期化なら地域不安定化も スーダン衝突 サウジ停戦交渉に進展なし イスラエルが仲介申し出

スーダンで衝突を続ける正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の代表団は7日、サウジアラビア西部ジッダで、米国とサウジの仲介により停戦に向けた直接協議を行った。軍とRSF双方は協議について、人道支援のための一時停戦が目的としており、戦闘終結に向けたものではないとしている。イスラエルはスーダンとの和平協定に調印できなくなる可能性を懸念する。

【社説】露戦勝記念式典 隠せない侵略国になった矛盾

ウクライナを侵略しているロシアが、旧ソ連による対ドイツ戦勝記念日の式典を行い、「本物の戦争を仕掛けられている」とプーチン大統領は演説した。奪われた領土を取り返そうと必死に抗戦するウクライナ軍と同国を支援する国際社会に対し、自ら始めた侵略戦争を正当化しても信じる者はいない。ロシア国民を戦場に送ることなく一日も早く軍を撤収すべきだ。

【連載】G7広島サミットの焦点(1) ロシアの核恫喝 暴発懸念する準当事者の欧州

岸田文雄首相が議長を務める先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が19~21日に広島市で開かれる。首相は被爆地から「核兵器なき世界」の発信を目指す一方、ウクライナを侵略するロシアは核兵器の使用を示唆するなど安全保障環境は悪化し、世界経済のリスクも高まる中、どう結束して対処するか焦点になる。

【韓国紙】3月より静かな雰囲気の首脳会談

尹錫悦大統領は8日、「韓日首脳会談で議論された安保産業、科学技術、文化、未来世代の交流などに関連し、徹底した後続対策に臨んでほしい」と参謀らに求めた。

AIへのG7ルール確立で中露にも取り組み求めた毎日のお人好し

開発が急速に進む人工知能(AI)に対して、先進7カ国(G7)のデジタル・技術相会合が先月30日に、適切な規制の下で活用して「信頼できるAI」を目指す共同声明を採択。また、AIの国際的な技術標準づくりなどを盛り込んだ行動計画も策定した。

【上昇気流】(2023年5月11日)

山の風景は位置によって違って見える。東の岩場から見上げるのと、西の灌木(かんぼく)地帯からとでは、同じ山とは思えないほど異なった様相だ。山道をたどることは新たな発見の連続でもある。