最新記事

【社説】米最高裁中絶判決 生命を守る草の根運動の勝利

米連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。半世紀にわたる保守派の悲願が成就した瞬間であり、米国で人間の生命を尊重する運動が歴史的な勝利を収めたことは、日本を含め世界各国に好影響をもたらすものとして歓迎したい。

接続水域に中国海警2隻 沖縄・尖閣沖

第11管区海上保安本部(沖縄県那覇市)は25日、石垣市の尖閣諸島周辺の領海外側の接続水域に中国海警局の「海警」2隻がとどまっていると発表した。

米最高裁 中絶合法化覆す 11月中間選挙の争点に

米最高裁判所は24日、人工妊娠中絶を憲法上の権利とした1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆すことを決定した。これにより、中絶の是非については、個々の州の判断に委ねられることになった。米国で国論を二分する中絶問題で約50年ぶりの歴史的な判例変更となり、11月の中間選挙でも争点となる見通しだ。

人口密集地と重なるハザードマップで大雨災害を論じた「日曜討論」

毎年のように異常気象が騒がれている。テレビのニュースでも話題になったが、関東では梅雨入り前の2日に群馬県南部から埼玉県北部にかけてひょうが降り、3日にも千葉県市川市などで降り注ぎ、同市内の原木中山駅の屋根が破損する勢いだった。

【上昇気流】(2022年6月26日)

新聞に地元のホタル祭りのチラシが入っていた。もはや祭りは終わったが、記憶に焼き付けられたのは、新型コロナウイルス禍で祭りがしばらく休止していたからだった。3年ぶりだという。

【社説】参院選と安保 抑止力強め戦争防ぐ政策を

今回の参院選では、安全保障政策の在り方が主要な争点になっている。ロシアのウクライナ侵略や中国、北朝鮮の軍事的脅威の高まりなど国際情勢の緊迫と、それに対する国民の不安増大が背景にある。

中国外務次官・楽氏の更迭 米中首脳会談への撒き餌か

渤海湾に面した中国河北省の保養地・北戴河で7月1日から、米電気自動車(EV)大手テスラの車両の進入が2カ月以上禁止されるという。

期待高まる観光客往来 台湾から

最近、日本人同士が集まるとあいさつ代わりに交わされる言葉だ。台湾は今年4月からウィズコロナ政策へと転換した。オミクロン株が重症化しにくいとされていることに加え、ワクチン接種率が向上したことが大きい。

中国公船領海侵入、最長を更新 沖縄・尖閣沖

沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で21日から23日にかけ、中国海警局の「海警」2隻が64時間にわたり領海に侵入した。

米国の「中絶」論争の根 「殺人」と捉える反対派

参議院選挙が公示となり、物価高対策、安全保障を中心に各党が選挙戦を展開している。一方、米国では、同じ民主主義陣営にありながらも、日本ではまったく争点にならない人工妊娠中絶問題について秋の中間選挙を見据え、反対派と支持派が激論を繰り広げている。近年深まっていた分断がさらに深刻化することが避けられない情勢だ。

特別展「椎名誠 旅する文学館」仙台

作家・椎名誠さんの「旅」をテーマにした特別展「椎名誠 旅する文学館」が現在、仙台文学館で開催中だ。昭和19年、東京都生まれの椎名さんは、会社員を経て昭和54年にデビューし、「昭和軽薄体」と呼ばれる独特の文体でエッセーや国内外の旅行記、私小説、SF小説など幅広いジャンルの作品を発表。

多摩川上流が『大菩薩峠』舞台に

小説『大菩薩峠』で知られる中里介山(本名弥之助、1885~1944)の故郷は東京都羽村市で、玉川上水の取水堰(しゅすいぜき)に近い多摩川河畔(かはん)で生まれた。近くには介山の墓のある禅林寺もある。介山が少年時代に遊んだ多摩川のほとりを散策し、生い立ちや名作の舞台を振り返ってみた。

【上昇気流】(2022年6月25日)

北朝鮮北東部の港湾都市、清津から錆だらけの小型船に乗って金萬鉄さん一家11人が福井県の港に漂着したのは1987年1月のことだ。金さんは清津医大病院の医師だった。

野党に協力呼び掛け 仏大統領

【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は22日、19日の下院選で与党連合が過半数割れしたことを受けてテレビ演説を行い、妥協点を見いだす新たな政治への理解と協力を求めた。与党連合の獲得議席は過半数に44議席も足りない245議席にとどまり、マクロン氏はドイツのような複数政党による政治運営形態に変わったことを認めた。 マクロン氏が頼れるのは、親欧州連合(EU)の中道右派・共和党(61議席)と保守系小政党だが、共和党は連立政権に加わることに否定的だ。 第2党の急進左派「不屈のフランス」のメランション氏率いる左派連合は131議席を獲得。ただ、中道左派の社会党との連合は「野合」と指摘され、左派連合はすでに内部対立が表面化している。 一方、右派・国民連合(RN)は5年前の下院選挙と比べ、10倍以上の89議席を獲得し、第3党に躍り出た。RNのマリーヌ・ルペン氏は、党首を辞して議会に集中する意向を表明。左派連合の分裂が予想される中、RNは発言力を増すことが予想されている。 マクロン氏は連立政権が難しい場合は、政策ごとに協力政党と多数派を形成して法案を通すしかないが、その相手は今のところ極めて限定的だ。

家業から「100年企業」に向けて―

東京都渋谷区に「イカリ消毒」という会社がある。家業として始めたネズミ駆除・消毒屋は増収増益を続け、今や従業員1500人、国内100カ所、海外2カ所にネットワークを持つ大会社だ。成功の秘密を知りたくて、兄弟と共に防疫・防除を手掛ける保健衛生業界のトップ企業に育てた黒澤眞次さんを訪ねた。

マスク着用義務めぐり対立 フィリピンから

フィリピン国内では新型コロナウイルス感染はほぼ収束状態にあり、かなりの規制が緩和され人々の生活は元に戻りつつある。しかしここにきて地方政府と中央政府が、マスク着用をめぐり激しい対立を繰り広げている。

ASEAN、ウクライナ危機で西側と距離

ウクライナ危機に関し、ロシアとの軍事的、経済的結び付きが強い東南アジア諸国連合(ASEAN)は、西側諸国が実施する制裁とは距離を置く。東アジアで懸念される台湾有事でも同じ構図が想定されることから、自由や法の支配を軸足に置いたわが国の価値観外交をASEANにどう展開できるか、課題となっている。

【社説】アフガン地震 暫定政権の改善を期す支援に

アフガニスタン東部国境付近で発生した地震により1000人以上が死亡するなど大きな被害を受け、タリバン暫定政権は国連はじめ国際社会に救援を要請した。女性や少数民族に対する差別的政策など人権問題を抱え、国際社会の対アフガン制裁が続く最中の災害だが、被災者救援に人道措置の手は差し伸べられるべきだ。

3年ぶり首相出席し追悼  沖縄戦終結77年「慰霊の日」

多くの住民を巻き込んだ沖縄戦の終結から77年。沖縄県は23日、「慰霊の日」を迎え、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼式」を行った。参列者は正午の時報に合わせて黙祷(もくとう)し、戦没者の冥福(めいふく)を祈った。刻銘者は新たに55人が追加され、計24万1686人となった。

生きた囚人から臓器摘出 中国・新疆の強制収容所 イスラム教徒標的

中国で生きた囚人から移植のために臓器が摘出されていることを示す新たな証拠を研究者が有力学会誌に掲載し、衝撃を与えている。新疆ウイグル自治区の強制収容所で毎年最大5万人のイスラム教徒から臓器が強制的に摘出されているとの推計もあり、この問題への対応を求める声が高まっている。